「……何が目当てなんだ」
「そんなつもりじゃないって。私はただ、黒田クンの恋を応援してあげたいってだけなんだけどなあー」
「もうちょっと顔に説得力を持たせて言え、顔に」
ゴシップ大好きなさくらちゃんは、実際おかしくてたまりませんでした。両想いなのに、お互いがお互いの想いに気づいていない。しかも、そんな状況を知っているのは自分だけ。こんなに面白いことが他にあるでしょうか?
とはいえ、彼女はただ自分の興味本位で、今回の行動をとったわけではありません。1番の親友であるあかねちゃんの初恋を応援してやりたい、という気持ちがその裏にはあるのです。あかねちゃんが文句を言えずにいる時は、かわりに自分が彼女の口になってやる。あかねちゃんが一歩を踏み出せないでいる時は、かわりに自分が足になってやる。さくらちゃんはいつだってそうしてきました。
「どう?一緒に行く気はない?」
「…分かった。乗らせてもらうよ」


