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4話 旧友と共有(前編)

「アオイちゃん!目を覚ましてっ……アオイちゃんっ……!!」

走りながら、近所の人たちに聞かれてしまうのも、目から涙が流れ落ちるのにも構わず、あかねちゃんは手のひらに横たわったままのアオイちゃんに、必死に呼びかけ続けました。
その甲斐あってのことでしょうか。家の門が見えてきた頃、ぴく、ぴく、とアオイちゃんの眉が動いたのです。
やがて、その数秒後、アオイちゃんの瞼がゆっくりと開かれました。
仰向けのまま、視線は頭上の涙に濡れた顔に向け、その顔がずっと自分が求めていたものであると認めると、アオイちゃんは静かに微笑みました。

「……よか、った……あかねちゃんだ………」

そう言うと、アオイちゃんは満足したようにゆっくりと瞼を閉じました。

「……っ!」

あかねちゃんの顔は、いよいよ涙でぐちゃぐちゃになっていきました。
生きててよかったという心の底からの安堵…傷ついた友達を見ることの辛さ…守ることができなかった自分への不甲斐なさ…こんな目にあっても、まだアオイちゃんが自分に笑顔を向けてくれているという、心の痛みを伴う嬉しさ……様々な感情が混ざり合って、文字通りぐちゃぐちゃな涙でした。

涙が人を強くする、という言葉があります。あかねちゃんの人生の中で一番といっても過言ではないこの日の涙は、実際にあかねちゃんを強くしてくれたかどうか……それは分かりません。
けれどこの時あかねちゃんは、もう二度とアオイちゃんをこんな目には合わせない、何があったって、私がアオイちゃんを守るんだと、固く、強く、胸に誓ったのでした。

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