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7話 アオイちゃんとミドリちゃん

「気にしないで。きっと何か事情があったんだよね」

悩んでいたのはなんだったのだろうと思ってしまうくらい、あかねちゃんはあっけらかんとしていました。それに、アオイちゃんが訳あって来れなかったのだということも、ちゃんと分かっていたのです。

やっぱり、あかねちゃんはできた子だ、と思いました。けれど同時に、もうちょっと怒ってくれてもいいのにな、という気持ちもあったのは内緒です。

「あのね…実はうちに、初めて私以外の子がやってきたの」

「それって、アオイちゃんと同じ、小人さんってこと……?」

「うん。歳も私とおんなじくらいの女の子なの」

おんなじくらい、と言ったのは、ミドリちゃんに何回年齢を聞いても、「忘れた」といって語りたがらないからです。アオイちゃんはそれを、不器用な彼女なりの「歳の上下なんて気にせずに仲良くして」というアピールなのだと勝手に解釈していました。

「へぇーっ…!よかったねアオイちゃん!これで一人で過ごす時間が減るんじゃない?」

具体的ではなくとも、普段、自分の見えていないところで、アオイちゃんがつらく、寂しい生活を送っているということを、あかねちゃんは知っています。だからこの間、アオイちゃんを自分の部屋で保護する、という試みもしたのですが、途中途中で問題点が浮き彫りになっていき、結局うまくいかずに終わってしまいました。そんなこともあって、あかねちゃんは今の話を聞いて、とても嬉しそうにしていました。

「うん、その点は本当に助かってるの。でも、一つ大きな問題があって……」

アオイちゃんは少し話しづらそうに、ミドリちゃんが人間を嫌っていることを話しました。あかねちゃんのことも、そしてミドリちゃんのことも大好きだからこそ、話しにくく感じてしまうのです。

「…そっか」

あかねちゃんは、それを聞いてどんなことを感じたのでしょう。そっか、としか言わなかったけれど、その後ろに、言葉にしても意味がない感情が、たくさん隠れているような気がしてなりませんでした。

「じゃあ、その子がいる間は、あんまり私には会いに来れないよね」

「うん…」

「仕方ないよ。そのかわり、会える日はうんと遊ぼう!今こうやってここに来れてるってことは、全く会えないってわけではないんだよね?」

「うん。ミドリちゃん、今はスケッチに出かけてるみたいだから。そういうときは、私もここに来れると思う」

「でも、私のことは気にせずに、ミドリちゃんとの時間も大切にね。やっとアオイちゃんに、同じ小人さんの友達ができそうなんだから」

「え…う、うん」

その言葉を聞いて、どうしてかアオイちゃんはほんの少し、胸がざわついたのを感じました。でも、原因がはっきりとは分からないし、だいいちそれを言ったあかねちゃんに一つも悪気は見えなかったから、戸惑いつつも、うなずく他はありませんでした。