「本当に、本当にもう大丈夫…?」
「うん。多分あの人…えっと、さくらちゃん…?がそばに来ると苦しくなっちゃうだけで、こうやってあかねちゃんと二人で話している分には何も問題ないよ」
実際、そう語るアオイちゃんに強がっている様子などはありません。ただ今日のことで、アオイちゃんの中に、いわゆるトラウマという形で昨日の出来事が残ってしまっているということが分かりました。それが、あかねちゃんに対しての恐怖心に繋がらなかったのが、お互いにとって不幸中の幸いだったと言えるかもしれません。
「ごめんね…もうさくらちゃんをここに連れてきたりしないから」
「私のことなんて気にしないで!あかねちゃんの部屋なんだし、連れてきたい時に連れてくればいいんだよ?」
どこまでもアオイちゃんは健気で、胸の中心を銃弾で射抜かれたような心地がしました。
どうして、こんな子が自分の手の中で酷く怯えているのを見ながら、笑ってしまったんだろう。あかねちゃんは、いくら自分を責めても、責めきれないようでした。


