……それから、何日か経ったある日のこと。
プラモデルに使用する塗料を購入すべく、さくらちゃんは近所のホームセンターに来ていました。
もっとも、もう既に目当ての物は10分ほど前に買い物カゴに確保しておいたのですが、さくらちゃんはこういう場所に来るといつも色んなコーナーに目移りしてしまうたちなのでした。
(ん?あれは…)
その途中でふっと、目を一点に向けて立ち止まりました。とてもよく見慣れた背中が目についたのです。せっかくなので声をかけようと、さくらちゃんはその背中に歩み寄っていきました。
「よっ、何見てんの?」
「わぁっ!?」
「うおっ」
触れた肩があまりに勢いよく跳ねたものだから、さくらちゃんの方までびっくりして声をあげてしまいました。やがておどおどと向けてられたのは、さくらちゃんが思っていた通りの、あかねちゃんの顔でした。
「あ…さ、さくらちゃん……いや、あの、別にたいしたものじゃないの!ほ、ほんとに!」
「なんでそんな慌ててんのさ? …………ん?」
「うぅ…」
さくらちゃんが、あかねちゃんの背後に陳列されているのを見つけたそれは、彼女にとって、誰よりも一番さくらちゃんには見られたくなかったものでした。
「ふーん、なるほどねえ」
あかねちゃんが何を見ていたのかも、罰が悪そうな様子の意味も全て理解し、さくらちゃんはニヤリ、と意地の悪い笑みを浮かべたのでした。


