<<『優奈』エピソード一覧に戻る

4話(終)

男は、優奈の胸ポケットの底で揺られていた。

意外なことに(?)、胸ポケットの中に入れられたのは、彼がこの身になって以来、初めてのことだった。

荒れ狂う靴下の中と違い、そこは静かだった。布地に身を預けると、さざなみのような遠くの足音と、子どもの心臓が奏でる小刻みな心音が聞こえる。そのまま、ゆりかごの中の赤ん坊のように、安らかな心地でまどろみに落ちていく。優奈、今日は、何をしてくれるのかな。そんな期待を、胸に大事に抱えながら……。