小さくなった人を、元に戻してあげることができる。
そんな話を聞けば、去年のわたしなら、迷わず飛びついていたのかもしれない。
暗くなってきた、17時過ぎのリビング。どこかもの寂しく光るテレビの画面。
治療を受けた被縮小者の男性と、その妻だという女性が抱き合う映像が流れていた。
例の縮小機によって、このように大切な人間との抱擁もままならなくなってしまった者が、一体、どれほどいるのだろうか。
きっとほとんどの人間が、その感動の再会の場面に、涙を誘われたことだろう。そしてきっと、同じだけ数の人間が————被害者を虐げて悦に浸るわたしのような人間を、非難する。
誰に弁明する訳でもないけれど、わたしは本来、そんなことができる人間ではなかった。少なくとも自分ではそう思っていた。
ただわたしが拾ったのは、自ら進んでおもちゃになりたがる、少し変わった小人だった。
そのおもちゃが、わたしを変えてしまった。いかなる遊び方をも、私に求めたから。いかなる遊び方をも、私に許したから。
そして。こんなに都合のいいおもちゃは、失ってしまえばたぶん、もう2度と手に入れることはできない。
でも。
いよいよ、手放さなければならない時が来たのかもしれない。
取り返しのつかないことになってしまう前に…………。


