意識が明けた。
目の前にあるのは、最前まで見ていたのと変わらない景色だった。
10000分の1でも、意外に見える景色は変わらないのだろうか、などと的外れな感想を抱いていると、抑揚のない音声がぼくに真実を告げた。
《縮小が、キャンセルされました。》
その時、ぼくは遅れて、自分の股下が温かく湿っているのに気づいた。
じょろっ、じょろっ、じょろっ…………。
ひと筋の液体が、ぼくの内腿を伝い、汚れなき少女の指先の曲線に沿って流れ出していた。
再び、顔を上げると。レンズは今も、ぼくのそんな情けない姿へと向けられていた。
「……最ッ低。」
その向こうで、吐き捨てるように呟く、優奈の声が聞こえた。


