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4話(終)

4月。5月。6月。7月。

小学校生活最後の一年は、これまでに比して忙しく、優奈にはあっという間に過ぎていくように感じられた。

ブラスバンドでは、アルトホルンのパートリーダーに任命されたり。美化委員会で、委員長として色々な仕事を任されたり。たてわり活動で、少々手のかかる一年生の子の面倒を見たり。

その間もずっと、男は、靴下の虜囚だった。

平日約20日。登下校やブラスバンドの朝練を含め、1日9時間の修学時間。1か月につき少なくとも180時間を、男は、優奈の靴下の中で過ごしていることになる。

未来ある子どもたちが勉学に励み、同年代の大人たちが、それぞれの形で社会に貢献しているその180時間。男は一人の小学6年生の女子児童の履物の中で、その臭いに脳を侵されながら、足の指の溝に顔をうずめ、汗を舐めては、猿のように射精を繰り返していた。

むろん優奈も、足先の彼の不浄な行いには気づいていた。気づいていながら、それを故意に咎めることも、手伝うこともしなかった。

ただ、こんなことを続けていたら、いつか誰かに知られてしまうのではないか。そんな、漠然とした不安があった。

母親に、妹。クラスメイトに、先生。自分が、拾った小人を靴下に入れているなんて知ったら、みんな、どんな顔をするのだろう。 

時折、そんな風に考えることがあった。