「ごめん、私ちょっとトイレ」
ちさとはそう告げて、1人部屋を出ていった。「いってら〜」と私とうっぴぃ。
ビーズやプラバンでアクセを作っている最中だった私たちは、手を動かしながらおしゃべりする。
「いいよね〜、ちさとカレシいて……」
「ね、しかもめっちゃラブラブじゃん。見た?全然そんなことないって〜の時のカオ!」
「隠してきれてなかったよね、にへーって」
「そーそーそんな感じ!」
「完璧すぎるのもつまんないとか言ってたけど、絶対照れ隠しだよねー」
「だってさーちさとがアロマとか使い出したのも、彼ピが家に遊びに来るようになったからでしょ?」
「え、そうだったんだ」
「ぜっっったいそうだって!だってまんま始めた時期かぶってるもん」
「あ、なに、本人には聞いてないの?」
「聞かない聞かない!だって、あのちさとが素直に答えると思う?」
「……ないね」
「でしょー?」
ひとしきりちさとの話題で盛り上がると、今度はうっぴぃが、どんなアロマ使ってるのか気になると言ってちさとの部屋を物色し始めたので、私は1人でアクセ作りを進めることになった。うっぴぃが置いていったアクセは、まだ作りかけではあるものの、可愛らしく飾り付けられている。ああ見えて手先が器用なのだ、彼女は。それを参考に私も飾り付けを行なっていく。
「あ、これかな。こんなに揃えちゃってー、えーと、ローズマリーでしょ、レモングラスでしょ、それから……」
アロマボトルを並べた仕切りケースを見つけて、ひとつひとつ手にとっているうっぴぃを横目に、ビーズやスパンコールを一つ一つ糸に落としていく。心菜にあげたら、喜んでくれるかな、なんて想像すると、アクセ作りはより楽しいものになる。
「え?うそ、これって……」
がちゃり。その時、ちさとがトイレから帰ってきた。
何かを言いかけていたうっぴぃが、早足にちさとに駆け寄る。
私は作業の途中だったから、あまり深くは注意せずに、2人の会話を聞いていた。
「ねーちさとっ!これどーしたの!?」
「え。あ、やば……それ、見つけちゃった?」
「ね、これってやっぱり————本物の小人なのっ!?」


